所長挨拶

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 九州大学先導物質化学研究所は、機能物質科学研究所(附置研究所)と有機化学基礎研究センター(学内共同教育研究施設)とを融合・再編成し、平成15年4月1日に発足しました。改組後の先導物質化学研究所のミッションは、機能性の高い物質・材料の創成とその実用化基盤工学の構築にかかわる基礎化学からプロセス工学までの理工学分野の研究領域での最先端研究と、研究を通じた人材育成です。とくに、現代社会と近未来社会で必要不可欠な、「物質化学における先導的な総合研究」を展開することを目的としており、5部門編成で、新規機能性分子の高効率合成、計算化学、分子集積化学、バイオマテリアル科学、ソフトマテリアル科学、炭素材料学、ナノ材料化学、および、先端材料素子科学に関する研究グループが連携して、原子・分子・ナノスケールから、メゾスケール、マクロスケールまでの物質の階層的な構造と物性・機能にかかわる基礎学理とその応用に関する世界レベルの中核的研究拠点を形成するべく日夜努力を続けております。平成28年度からは筑紫、伊都、箱崎の3地区体制から、理学系の伊都移転により筑紫、伊都地区の2地区体制の運営になりました。
大学院教育に於いては、先導物質化学研究所は、伊都地区では理学府、工学府、筑紫地区では総合理工学府、統合新領域学府を担当しており、研究院とは異なる研究所の特長を生かした学際的な教育と研究指導を行っています。
また平成22年度より日本列島を縦断する5つの研究所(北海道大学電子科学研究所、東北大学多元物質科学研究所、東京工業大学科学技術創成研究院化学生命科学研究所(旧資源化学研究所)、大阪大学産業科学研究所、九州大学先導物質化学研究所)が参画する全国規模のネットワーク型の共同研究拠点を推進し、平成28年度から2期目を迎えました。本拠点における事業は、「ネットワーク型共同研究拠点事業」と拠点を形成する附置研究所間で推進する「課題解決型アライアンスプロジェクト事業」から成り立っています。これらのネットワークの特性を活かした組織的共同研究の取り組みは、我が国の物質・デバイス研究の飛躍的推進を担う核として有効に機能することが大いに期待されています。一方、基礎化学分野では平成28年度より北海道大学触媒科学研究所、名古屋大学物質科学国際研究センター、京都大学化学研究所ととも「統合物質創製化学研究推進機構」で連携し、新規物質創製を統括的に研究する新国際研究拠点を設立した。戦略的なガバナンスの下、産官学連携や国際連携を通じて、研究成果を新学術や産業創出にまで発展させる他、大学の垣根を越えた活動によって次世代のリーダーとなる研究者の育成を推進している。
これまでの所員の努力で、多くの活発な研究者を研究所員として招聘し、研究所に物質化学に関する優れた研究陣が集結し、特に炭素資源学、ソフトマテリアル化学分野で先端研究成果を創出しています。さらに未来に向かって、所員個人あるいはグループを核として、先端的基礎化学・物質化学分野の学術研究ならびに社会に研究活動を還元するための質の高い産学連携、先端的な国内・国際共同研究をおこない、先導的な物質化学に関する世界拠点を形成する所存です。今後とも、本研究所に対して厳しいご批判・ご鞭撻いただくとともに、ご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

所長 高原 淳