EVENTS 講演会

7月27日(月)「反転対称性をもたないペロブスカイト関連化合物の設計と合成-新規強誘電体・圧電体の開発-」講師:藤田晃司先生

      先導研非常勤講師講演会

  講演者 : 藤田晃司 先生(京都大学大学院工学研究科・准教授)
  題 目 : 「反転対称性をもたないペロブスカイト関連化合物の設計と合成」
         -新規強誘電体・圧電体の開発-
  日 時 : 平成27年7月27日(月) 15:30~17:00
  場 所 : 伊都・先導研CE-41棟1F 第一セミナー室

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要 旨:
反転対称性をもたない化合物は強誘電性・圧電性を示し、アクチュエーター、キャパシタ、センサ、非線形光学素子として応用されている。特に、Pb(Ti,Zr)O3(PZT)やBaTiO3などのペロブスカイト型強誘電体は優れた誘電特性を有しており実用的に重要な物質群である。これらのペロブスカイト酸化物では、AサイトのPb2+の6s2孤立電子対の存在、あるいは、Bサイトにあるd0電子配置の遷移金属イオン(Ti4+やZr4+)の2次ヤーン-テラー効果により構造が歪み、反転対称性が失われる。一方で、ABO3ペロブスカイト型構造ではAサイトのカチオンが相対的に小さくなるとBサイトの酸素八面体(BO6)が回転して構造が安定化する。BO6八面体回転はペロブスカイトでは最もありふれた構造歪みであるが、これで反転対称性が破れることはない。セミナーでは、反転対称性を破る新たな機構としてBO6八面体回転に焦点を当て、層状ペロブスカイトを含むペロブスカイト関連化合物においてBO6八面体回転により反転対称性が破れる例を紹介する[1, 2]。

[1] H. Akamatsu, K. Fujita et al., Phys. Rev. Lett. 112, 187602 (2014).
[2] T. Kawamoto, K. Fujita et al., J. Am. Chem. Soc. 136, 15291 (2014).


問い合わせ先: 九州大学先導物質化学研究所(伊都)
        岡本晃一092-802-6231