講演会 「特異な電子非局在様式を持つ分子性物質の開発」講師 中筋 一弘 先生

先導物質化学研究所講演会

講 師:中筋一弘教授(福井工業大学教授・先導研客員教授)

演 題:「特異な電子非局在様式を持つ分子性物質の開発」

日 時:平成19年10月19日(金)15:00-16:30

場 所:理学部化学科第1講義室

要 旨:
 周知の通り多くの分子性物質の機能・物性の発現には、共役電子系の特性が重要な役割を演じている。共役電子系の特性は有機電子構造論から解釈すれば,分子内・分子間で電子がどのように局在・非局在しているかという電子の非局在様式に依存する。例えば、芳香族性は分子内での電子非局在化による安定化,反芳香族性は局在化による不安定化に起源がある。このような分子レベルの特性が分子間で発現された例として、分子性金属や分子磁性体などがある。このような研究分野は構造・物性有機化学から物性物理学にまたがる学際的な連携によって発展を続けている。 ここで我々は、化学、特に有機化学の独自性は物理学および生物学と対比したとき,研究目的に応じて多種多様な分子性物質を設計・合成できる点にあると考えている。従って、我々は新しい電子系を設計することを出発点とすること,且つ特異な電子系であるが故の合成上の困難さを克服することを重要視して、“特異な電子非局在様式を持つ分子性物質の開発”を行っている。以下,1)分子間電子非局在系としての多段階レドックス系,2)分子間電子局在系としての安定中性ラジカル,3)非局在性を水素結合によって制御するプロトン-電子連動系,4)遷移金属原子を非局在性に活用した水素結合型金属錯体、の四つの研究における最近の成果を紹介する。

連絡先:

 (世話人)新名主 輝男

  九州大学先導物質化学研究所箱崎地区
  TEL 092-642-2720   kisoyuki@ms.ifoc.kyushu-u.ac.jp

Posted:2007/10/19.