講演会「新機能創出を目指した新奇アミノ酸の合成と生理活性」講師 長田 聰史 先生

先導物質化学研究所講演会

主 催 : 九州大学先導物質化学研究所

講 師 : 長田 聰史 先生(Satoshi Osada)
佐賀大学理工学部・助手(九大先導物質化学研究所・ 非常勤講師)

題 目 : 「新機能創出を目指した新奇アミノ酸の合成と生理活性」
(Synthesis and physiological activities of new novel amino acids directed toward the new functions)

日 時 : 12月9日(金)15:30-17:00

会 場 : 理学部化学教室第1講義室

【講演要旨】
多様な生理活性を発現するペプチドは医薬品のリード化合物として 最も注目されているが,プロテアーゼ耐性の欠如,脂溶性の低さ,複数のレセプターへの作用といった問題点があり,実用レベルのペプチドは多くはない. タンパク質の生理活性部分で,いわゆる標準アミノ酸20種の組み合わせから生理活性に必須のアミノ酸残基を探し当てることはできても,すでに進化の歴 史で洗練された構造を機能改善に向けて改変するのは困難なためである.ペプチドの構造修飾には多くの手法があるが,新奇アミノ酸ユニットをもつ化合物 であれば,すでに確立されているペプチド化学合成を適用しやすい.ライブラリー合成などへ応用することで本来の機能の改善あるいは新たな機能をもつペ プチドを創出でき,さらには新たな医薬品のリード化合物となることも可能である.
ただ,やみくもにペプチドの側鎖を変化させても生理作用は期待できない. タンパク質の部分ペプチドに,先の問題点を改善するような化学修飾が求められる.この点を考慮した立体制約アミノ酸やフッ素化アミノ酸が合成されペプ チドへ導入利用されてきており,酵素耐性やレセプター選択性などの問題点の克服に寄与している.近年では細胞周期を制御するような翻訳後修飾反応(特 にリン酸化,アセチル化,メチル化等の可逆的反応)を受けたアミノ酸残基が注目され,それぞれの翻訳後修飾に対してのミミック(模倣)アミノ酸の構築 が試みられている.
本発表では前述のコンセプトによるアミノ酸ユニットの設計とペプチドへの 導入の事例を紹介し,当研究室で行っているアミノ酸(メチオニン、アセチル リジン) ミミックの合成とミミック含有ペプチドのユニークな生理活性につい て紹介する.

連絡先:新名主輝男
九州大学先導物質化学研究所
812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1
(理学部2号館6階2602号室)
TEL 092-642-2716 FAX 092-642-2735

Posted:2005/12/09.