About

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5部門から編成されており、新しい機能性分子の合成、新しい分子集積の化学、有機・無機融合材料の化学、先端材料の素子化に関する化学など、多岐にわたる研究に取り組むとともに、各分野の研究グループが連携して、原子・分子・ナノスケールからマクロスケールまでの物質の構造と機能にかかわる基礎学術とその応用化に関する研究を推進している。
当研究所は、筑紫地区、伊都地区の二地区に分かれている。大学院総合理工学府、大学院理学府、大学院工学府の協力専攻となっており、それぞれの学府を通じて修士課程、博士課程の大学院生を募集している。

Research Activities and Features

  1. 物質化学の未踏領域である原子集合体(クラスター)、分子集合体、超分子の構造と機能に関する基礎化学を確立し、触媒機能や生体関連機能を持つ分子や集合体の創出を目指す。
  2. 高次ナノ構造を有するソフトマテリアル、および、その複合体の合成と構造・物性評価をおこない、その特徴を活かして、先端ソフトデバイス、ソフトマシンを創造するとともに、ナノバイオテクノロジーの開拓を目指す。
  3. 分子ナノテクノロジー、バルク材料の微細加工、自己組織化等の手法を駆使して有機-無機-バイオ、炭素-有機など従来の学問領域の境界に位置する融合材料の創成と応用を目指す。
  4. 精密に構築された微細構造をもつ新機能物質の創製と機能解析評価を通じて、機能材料の実用基盤の構築を目指す。
  5. 以上の特徴ある分子、分子・原子集合体、ナノ材料、融合材料の先導的な物質化学領域を創造するとともに、研究成果を、新規デバイス、環境保全材料、環境適応型プロセス、生体適合材料、エネルギー創出・貯蔵材料等、ナノサイエンス・ナノテクノロジーを基盤としたIT、ライフサイエンス、環境・エネルギー分野への展開を図る。
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Greetings from the Director

先導物質化学研究所・所長

Shiyoshi YokoyamaProfessor

先導物質化学研究所は、設立から20年を経てこれまで物質化学の学際領域において世界最高水準の研究成果を創出することをミッションに掲げて、研究活動を進めてまいりました。研究所では、柱となる基盤研究力を蓄積しつつ、多様に変化する社会からの要請に対して、常に最先端の科学技術力で応える重要な使命を持っております。研究所全体の方向性は、令和4年度から新たに第4期中期計画としてまとめたとおり、物質・材料・化学分野の学際領域の発展と国際的に先導する研究拠点の形成に取り組んでゆきます。具体的には、次のミッションを柱に全力で取り組んでまいります。

  • 基礎から応用、さらに社会実装にわたる研究に取り組み、国内外研究機関と連携強化し発展させること
  • 物質・材料・化学の革新、物質・材料化学領域の研究力をエネルギー・環境ならびに生命分野等の分野に展開し、脱炭素社会の実現に貢献すること
  • 共同利用・共同研究拠点として、物質・デバイス領域の先端的・学際的共同研究を推進すること

本研究所は、分子、分子・原子集合体、ナノ材料、融合材料、先端素子材料等の物質化学領域を中心としてた四研究部門(物質基盤化学、分子集積化学、融合材料、先端素子材料)から構成され、平成27年度からは国際共同研究を戦略的に進め、国際力を強化するソフトマテリアル国際部門を設置しました。外部研究機関・大学との連携は、研究拠点として最も重要な役割となります。本研究所は、文部科学省認定による「物質・デバイス領域ネットワーク型共同研究拠点事業」に参画させて頂いております。拠点は電子科学研究所(北海道大学)、多元物質科学研究所(東北大学)、化学生命科学研究所(東京工業大学)、産業科学研究所(大阪大学)と密接な連携体制にあり、日本を縦断するネットワーク体制を有しており、これまで毎年400件以上の共同研究が実施されてまいりました。本事業では、全国の大学や研究機関の研究者が拠点に参加し共同研究を行うことができます。拠点で進める研究分野、または先端研究設備の活用などに興味のある研究者の方々は是非ともご参加いただきたく、ご紹介いたします。専門分野の連携のみならず広く異分野融合を進めることも今後の研究所の発展のためには重要となります。本研究所が他の研究所と連携して形成するネットワーク型拠点は、その役割を効率的に果たす重要な研究の場であると考えております。

将来にわたり日本の科学技術力、産業力、国際競争力を維持するためには、その基盤となる研究を進める次世代若手研究者の育成は必須の課題です。本研究所では、大学院教育において、理学府、工学府、総合理工学府、および統合新領域学府と協力し、研究所の特徴を生かした学際的な教育研究の指導を行っております。また、国内外の多くの博士若手研究者も研究所に在籍し、日々、研究を行っております。研究所が保有する様々なリソースを最大限に活用し、若手研究者が自由な発想のもと十分に力を発揮できるように人材育成にも貢献したいと考えております。本研究所は、魅力的な研究組織と最先端の研究環境を整えておりますので、多くの学部生、大学院生、および若手研究者が先導物質化学研究所に加わることをお待ちしております。

History

  • 1944

    九州帝国大学木材研究所(3部門)創設。

  • April 1949

    九州大学生産科学研究所(5部門)として再編。

  • May 1987

    九州大学機能物質科学研究所(3大部門(13研究分野)+2客員部門)として再編。

  • April 1993

    九州大学基礎有機化学研究センター(3大部門)創設。

  • April 2003

    九州大学機能物質科学研究所と同有機化学基礎研究センターを融合・改組して、先導物質化学研究所を設立。

  • April 2010

    物質・デバイス領域共同研究拠点(ネットワーク型共同利用・共同研究拠点)に認定される。

  • April 2014

    ソフトマテリアル部門創設。