EVENTS 講演会

10月11日(水)講師: 石田 康博 先生(理化学研究所創発物性科学研究センター)

関係各位

先導研 研究指導者講演会を開催いたします。
多数、ご来聴賜りますようご案内申し上げます。

木戸秋 悟

開催日時

  • 2023年10月11日(水)

    15:00 ~ 16:30

講演会内容

日時:10月11日(水)15:00~16:30

場所:先導研CE41-1階会議室 A・B

講師: 石田 康博 先生
理化学研究所創発物性科学研究センター
超分子機能化学部門 創発生体関連ソフトマター研究チーム チームリーダー

講演概要: 軽量・柔軟で生体に似た「ソフトマテリアル」が、バイオディカル分野を始め、各方面から注目を集めている。が、今日の人工ソフトマテリアルは、果たして本当に生体に似ているだろうか? 改めて見比べると「構造の異方性」において、両者が決定的に異なることに気づく。殆どの人工ソフトマテリアルは等方的である一方、多くの生体組織は巨視的に異方的である。筋肉・骨・神経に代表されるように、異方構造はしばしば驚異の機能の根源となる。ナノサイズ構成ユニットが持つ異方物性を、相殺せず集積できるからである。言い換えると、全ての構成ユニットが一軸配向した「巨大な単結晶」のような構造こそ、人工ソフトマテリアルが次に目指すべき目標である。

我々のグループでは、溶媒中に分散したナノ構造体を強磁場で一軸配向させた後、系内重合で構造固定することにより、異方構造を持つソフトマテリアルを開発してきた。他の外場とは異なる磁場の得難い魅力として、非接触・非破壊・高均一に印加でき、サンプルの厚みに関わらず、再現性や均一性に優れた配向を達成できる。得られた異方性ソフトマテリアルでは、構成ユニット間の相互干渉が最大化されるため、しばしば我々の想像を超えた特異な物性機能が発現される。本講演では、着想に至る経緯とともに、異方性から極性への発展を目指した最近の成果(Science 2023, 380, 192)についても紹介する。

お問い合わせ先

木戸秋 悟
九州大学・先導物質化学研究所(伊都地区)
分子集積化学部門・医用生物物理化学分野
(兼担)ソフトマテリアル部門・メカノバイオマテリアル国際連携分野
(協力)大学院工学府応用化学専攻・分子生命工学講座
〒819-0395 福岡市西区元岡744 CE41棟204号室
TEL: 092-802-2507, FAX: 092-802-2509
http://biomed.biophys.cm.kyushu-u.ac.jp/
http://www.cm.kyushu-u.ac.jp/