11月19日(水)「生体内細胞の力学環境場に対する応答性 -その現象や相互作用の可視化等の解析方法」講師:原田 伊知郎 先生

関係各位

先導研非常勤講演会を開催いたします。
多数、ご来聴賜りますようご案内申し上げます。     木戸秋 悟

************************************************************************************************************************

 

日  時 : 11月19日(水)14:00~15:00

場  所 : 先導研伊都地区 2F会議室

講  師 : 原田 伊知郎 先生(名戸ヶ谷病院ロコモティブシンドローム研究所 主任研究員)

講演題目 : 『生体内細胞の力学環境場に対する応答性 -その現象や相互作用の可視化等の解析方法』

 

講演概要;
生体内の細胞は細胞外マトリクス(ECM)を認識して生理的に接着することで機能を十分に発揮する。さらに細胞はECMの分子種だけではなく、種類に依存した「種類」、「構造」、「物性」などを合わせて認識していることが明らかにされてきた。特に近年、細胞が接着している足場の固さは、細胞の分化能や形態形成などに直接関与することが示されつつある。しかしながら、細胞がどのように周辺環境の物性を検出しているのか、その分子機構の詳細はまだ明らかになっていない。細胞が足場の弾性率を認識する機構は、インテグリンを介して接着した接着点に対して細胞がアクトミオシンを通して牽引力を発揮し、その接着点にかかる反作用を検出する分子または分子システムがあることが示唆されている。他方で、細胞が足場に力を加えたときに生じる基質の歪みの大きさを検出してアクトミオシンの力を調整するようなモデルも提案されている。このような見解の不一致は、ECMの力学強度の違いによって細胞が発揮する力の大きさや、接着点に生じる接着斑構造サイズの変化に対する統一的な知見がまだないためである。広範囲にわたる基質の弾性率に対する応力変化などの細胞の応答性を同一の手法によって調べることが難しいことから、細胞が検出して機能調整しているのは、接着点に加わる応力なのか、その歪みなのかということすら明確になっていないのである。加えて、軟らかい足場とした培養基質上の細胞に対して一般的な生化学的実験も工夫が必要であるなど技術的な問題点も少なく無い。本セミナーでは、これまでに得られてきた足場の物性が細胞に与える現象論的な知見や足場と細胞との力学的相互作用の計測方法等を紹介させていただき、現在のECM物性が関与するメカノトランスダクション研究の問題点についても議論したい。

 

Posted:2014/11/05.