EVENTS 講演会

2月17日(火)「機能性材料としての炭素材料」—耐熱材料と高熱伝導材料 講師:上村誠一 先生

 

先導研講演会の案内

炭素材料の応用、特に宇宙開発用途への応用の権威である上村誠一(うえむらせいいち)博士(宇宙航空研究開発機構(JAXA) 客員研究員)の講演会を開催します。教職員・学生皆さんの是非のご来聴頂けますよう、ご案内申し上げます.
上村誠一(うえむら せいいち)博士 講演会
講演題目: 「機能性材料としての炭素材料」—耐熱材料と高熱伝導材料
日 時: 2009年2月17日(火) 13:00-16:00
会 場: 九州大学筑紫キャンパス・先導物質化学研究所 111講義室
【発表要旨】
炭素は炭素繊維に代表される卓抜した機械的性能を使用した構造材料として、航空機の重量の50%以上が使用されている。機械的特性以外にも、耐熱性、熱伝導特性、熱膨張特性等の熱的特性、あるいは耐薬品性などの化学反応性から、なくてはならない材料として宇宙開発分野をはじめとしてあらゆる分野で使用されている。

本稿では、主として熱的特性に特化した炭素の機能性を用いた宇宙開発用途を中心に述べることにする。

1.構造材料と機能性材料
構造材料と機能性材料の研究開発における研究者の姿勢・考え方について言及したい。

2.炭素とは
炭素に関する基礎を簡単に説明し、炭素の多様性がなぜ発現できるか等を説明する。

3.宇宙開発における要求材料
スペースプレーン開発時の大気圏再突入時の機体の温度上昇に対応できる材料特性から、炭素がこの要求を満たす数少ない材料であることを述べる。

4.C/Cコンポジットとは
上記宇宙開発に必要な炭素材料は、脆性材料である炭素の欠点を改良したC/Cコンポジットが必要である。本稿ではその製法・特性について詳説する。傾斜機能材料と炭素の出会い

5.3項の要求性能を満たすために、炭素材料が解決しなければならない性能に必須である熱応力緩和機構の開発/傾斜機能材料の開発について説明する。

6.RCS燃焼器の開発
宇宙往還機・人工衛星等の姿勢制御用RSCエンジンの燃焼器としてのC/Cコンボジットの使用を検討した結果を述べる。特に機密性を解決した研究開発ステップについて詳述する。

7.SSPSへの炭素の利用
a) Thermal Interface Materials
b) ラジエーター材料

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では1GWクラスのSSPS(Space Solar Power Generation System)の開発を計画実施している。太陽光をミラーで集光し、可視光と赤外光(熱線)に分離し、可視光部分をレーザー発振素子でレーザー光に変換し、地球へ伝送する方式と、可視光を太陽電池で発電し、この電力をマイクロ波に変換し地球へ伝送する2方式について検討している。赤外光は熱電変換し電力として使用するが、余剰の熱が各機器に蓄積するため放射する必要がある。
SSPSの機器間の熱移動が(熱抵抗)放熱システムの障害となっておりいかにスムースに熱をラジエーターまで伝達し放熱するかが重要な技術課題となっている。
この熱の伝達のために必要なThermal Interface Materialsについてのべ、またラジエーター材料を熱放散の観点から説明する。

 

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問い合わせ先:

尹 聖昊 (Seong-Ho Yoon)
Professor
Institute for Materials Chemistry and Engineering
Kyushu University
Address : Kasuga, Fukuoka, Japan Zip code:  816-8580
Tel: +81-92-583-7959(Office), +81-80-5607-1847(HP), Fax:+81-92-583-7897
Homepage: http://carbon.cm.kyushu-u.ac.jp/
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